孤独死
妥協の愛
 俺は小学校、中学校、高校と、学生時代はずっと友達が少なかった。それでも、まったくいなかったわけではない。片手で数えれるくらいの人数ではあったが、少ないながらに友達はいた。その数少ない友達も、高校を卒業すると同時に疎遠になっていった。
もう1度受験勉強をする気力がなかった俺は高校を卒業して、大学へは行かず、就職した。俺はどこにでもいるようなサラリーマンになった。
ある時までは自分のことを"特別な存在なんだ"と錯覚していた。自分には特別なものになれる才能がある、と思いこんでいた。しかし、大人になるにつれ、気づいた。自分は特別な存在なんかではなく、どこにでもいるような平凡な存在である、ということに。
平凡すぎる毎日に退屈を感じながらも、どうすることもできずに、ただただ流されてきた。もしも、本気でもがいていたら、流れに逆らっていれば、俺の人生は大きく変わっていたのかもしれない。しかし、そんなことは今となっては後の祭りだ。
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