じれったい
3・マカロンの理由
玉置さんから連絡があったのは、その日の夜のことだった。

夕飯の後片付けをしていた時、テーブルのうえに置いていたスマートフォンが震えた。

「えっ…ああ、はいはい」

洗い物をしていた手を止めると、濡れた手をタオルで拭きながらテーブルへと歩み寄った。

「もしもし?」

スマートフォンを耳に当てると、
「もしもし、株式会社『ファクトリー』の玉置です。

こちら、矢萩莉亜さんの携帯電話の番号であっていますでしょうか?」

玉置さんの声が聞こえた。

「あっ、はい」

返事をした私に、
「今、お時間よろしいでしょうか?」

玉置さんが聞いてきたので、
「いいですよ」

私は首を縦に振ってうなずいた。
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