「うわぁぁああああ、サユミ、本当に綺麗だねぇえ!」

「旦那様も優しそうで、いいよねぇ」


「見て見て、かわいくない? あのシフォンのドレスも似合ってるー!」


「サユミはやっぱりああいう柔らかいピンク色が似合うよね、昔から」



胡散臭いほどに真っ白いクロスの掛けられた、丸テーブル。

センターに置かれたキャンドル達は、さっきお色直しをした新郎新婦によって『新しい命への喜び』だかなんだか、大変な役を背負わされて炎が灯され、そしてあっという間にあたし達のテーブル係であるウェイターによってスマートにカップを被せて消されていた。


クラシカル、と言えば聞こえは良いけれど、まるで昭和のドラマのセットのような、『THE 結婚式場』といった風情の、作り物感半端ない空間の中で交わされる、上っ面の甘い会話。


その会話が積み重なる度に場違い感で震えそうになるあたし、仲田莉緒(なかたりお)。
泣く子も黙る34歳独身。

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