Another moonlight
初恋の終わらせ方



お昼過ぎ、ユキがサロンのカウンターの中でぼんやりと窓の外を眺めていると、サロンの前にサトミ宅配便の配送車が停車した。

ユキは運転席の窓をじっと見る。

運転席から降りて来たのは、アキラではなく別の若い男性スタッフだった。

(あ…アキ…じゃない…。)

伝票にサインをして男性スタッフから荷物を受け取ると、ユキは小さくため息をついた。


あれから2週間以上経つが、アキラには会っていない。

宅配便のスタッフは別の人に変わり、アキラからの連絡はない。

かと言って、特別用事もないのに自分から連絡することもためらわれる。

あの日、アキラの言葉にショックを受けた。

ずっと友達だと思っていたのに、そう思っていたのは自分だけだったのだと思い知らされた気がする。


“ユキはどうせ…オレのことなんてどうでもいいんだろ?”


“友達ヅラしてんのもそろそろ限界だからさ…もうやめるわ”


(どうでもいいとか友達ヅラとか…なんなの?アキだってなんも言わなかったし、彼女もいたじゃん……って…そうか、私も同じか…。)

中学時代から20年以上もすぐそばにいたのに、アキラの気持ちには気付かなかった。

気が付けばいつもアキラがすぐそばにいて、憎まれ口を叩きながらも一緒に笑っていた。

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