夫婦・・として

☆☆必ず治す


「なに、なんなんだよ?」
と、暁斗。
「親父が、親父が、呼ぶんだよ。
無意識に、母さんの名前を。
なんども、なんども、瞳子さんに。」
「‥‥‥‥‥瞳子に?
  ‥‥‥‥‥‥‥ウソ?」
「本当だよ。俺や鈴華も
なんども、聞いた。
俺達が、聞くんだから
瞳子さんの、前では
もっと、頻繁に言ってると
思って間違いない。
俺達が、聞いたときも
瞳子さんは、辛そうにしていたけど、
親父に何も言わないで
と、言ってたんだ。」
「ほんとに?本当か?瞳子。」
「‥‥‥‥‥はい。
最初は、聞き違いだと
思ってたの。
でも、貴方は無意識だから。
私が、返事をしないと
二度目は、私の名前なの。
ただ‥‥‥‥
この間、旅行の日の朝は‥‥‥
我慢できなかった。

貴方は、明け方に
『どうしたの、亜紀?』
と、言って
私を抱き締めたの‥‥‥

その場にいる事が·····
どうしても·····できなかった····

貴方にとって、
亜紀さんは、全てなのよ。
私では·····なく······

私は、自分の愛する人に
ちがう人の名前を呼ばれながら
生活することができるほど
出来た人間じゃないの。

あなたは、私を亜紀さんの変わりに
しているだけだと思うの。」

「そんなことは、ない。

確かに、亜紀を愛していた。
だが、瞳子を亜紀と比べたこともないし
瞳子自身に、惚れている。
治す、必ず。
亜紀と呼ばないように治すから。」
「無理だと思う。
また、名前を間違えられたら
と、思いながら、
一緒には入れない。
本当にごめんなさい。
結斗君も鈴華も、ごめんね。」
と、瞳子は言った。

結斗は、
「瞳子さんは、何も悪くない。
傷つけてしまって
ごめんなさい。
親父、帰ろう。
瞳子さんも疲れているし
鈴華、また連絡する。」
と、言った。
「瞳子、必ず治すから。
待ってて。」
と、暁斗は、叫びながら、
結斗に連れられて帰った。

そんな二人を見送りながら
鈴華は、
「気を付けて、帰ってね。」
と、言った。
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