【完】素直じゃないね。
Chapter▷▷2
「あたし、引かないから」
みなさん、聞いてください。
重々承知のこととは思いますが、今日も乃亜が天使です。
「つかさちゃん、はい!」
休み時間。
あたしの机の前に立った乃亜がそう言って差し出して来たのは、クマのキーホルダー。
「え? これ、どうしたの?」
クマのキーホルダーを手に乃亜を見上げれば、あたしのアイドルは照れくさそうな笑みを浮かべていて。
「サーキット買って、作ってみたんだぁ。
ちょっと下手くそだけど、第一号はどうしてもつかさちゃんにプレゼントしたくて!」
「の、乃亜……」
……くはっ。
可愛さというパンチに、完全にノックアウト。
泣いていいですか?
もしくは、心の声を叫んでもいいですか?
乃亜が、乃亜が、あの乃亜が、手作りしたものをあたしにくれるなんて。
しかも、今にも鼻血が出そうなくらい嬉しいコメント付きで。