将来、あなたたちは離婚します。
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 「話できないかな?」数ヶ月振りに彼にLINEをした。2日後に「分かった。」と返事があり、わたしたちは会うことにした。「今、到着したよ。」とLINEが届き、いつもの待ち合わせの駅に行くと、大好きだった彼が立っていた。
 
 ゆっくり話の出来る店に入り、私から話を切り出した。「元気だった?」彼は「元気だったよ。絵梨香は?」と自然に会話してくれた。そこから、数ヶ月の間にあったことを、いろいろと話した。そして、あの話題に触れた。「優斗はどうしたい?」「俺は...今でもどうしていいか分からないんだ。」「そっか。じゃあ、私たち終わりにするしかないのかな。」「それも嫌なんだ。」私だって嫌だ。言いたくてこんなことを言ってる訳じゃない。精一杯の強がりだった。「優斗は、あの結果が出るまでは本当に私のこと愛してくれていた?」「そうじゃなかったら、プロポーズなんてしないよ。」プロポーズされた時よりも何だか素直に嬉しかった。「じゃあさ、いつか、その時が来るまでで構わないから、一緒にいちゃダメかな?」「絵梨香はそれで良いの?」「良いかどうかと言われると複雑だけど、でも、今は自分の気持ちに素直でいたいんだ。将来離婚するって宣告されても、それでも私は優斗と一緒にいたい。」彼は一瞬嬉しそうな表情を浮かべていたが、すぐに複雑な表情に戻っていた。「ごめん。この気持ちのまま絵梨香と一緒にはいられない。この数ヶ月の間、あの結果が絵梨香には俺よりいい人がいるって示してるんだなって思ったら、連絡出来なかった。その方が絵梨香にとって幸せなんだって思ったら何かさ。」「そんなふうに思ってたんだ。ありがとう。でも、一言言って欲しかったな。さっきも言ったけど、離婚するその日まで優斗の隣りにいたい。どんなに辛くても後悔しないよ。私はこの数ヶ月で優斗の大切さを実感したの。いつかお別れするのにそれでも一緒にいたいってすごいことだと思うんだ。」彼は私をじっと見つめていた。そして、優しく微笑み言った。「絵梨香、結婚するか?」私は黙って頷いた。
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