月曜日なんか来なくていいのに。

そう思っていても、陽は昇って朝は来る。

「行きたくないなぁ……」

土曜日、白井さんと未来さんが抱き合う決定的瞬間を目撃した私は、帰り道のコンビニでお酒とおつまみを大量に購入して、家でひとりヤケ酒をした。

翌日、ひどい二日酔いに悩まされて、ぐうたらな休日を過ごしていたら、ヤケ酒の原因であるふたりからメールが届いた。

白井さんからは、『昨日は悪かった。また今度行こう』という謝罪の言葉。

未来さんのメールには、おそらく白井さんから聞いたのだろう、『私のせいで航との食事ダメにしちゃってごめんね』と書かれていて、私はその両方に返事をすることができなかった。

恋人同士のふたりが過ごすために、私との食事を断っただけなんだから、謝る必要なんてないのに。

そんな思いで一夜が過ぎ、やってきた月曜日。

正直、まだ白井さんと未来さんの顔をまっすぐ見られる自信がない。いつも通りに話せる余裕もない。

いっそのこと休んでしまおうか、とも考えたけれど、アルバイトの身である私に、現在有給休暇なるものは存在するわけもなく。

働かざる者食うべからず、の状態である今、仕事に行かなければいけないわけで。

「はああああっ」

大きなため息を吐きながら、靴を履いて家を出た。






「おはようございます」

自分に気合いを入れるつもりで、いつもより大きめに挨拶をしてアーティスト部へと入室すると、出社している社員さんたちが笑顔で返してくれる。

その中に、未来さんの姿は見えないようで、少しだけホッとした気持ちで席に着くと、前の席に座る康太郎さんと目が合った。

「桐原さん、調子悪い?」

「え? そんなことないですよ」

「そっかなあ。目がいつもより腫れてる気がするけど。なんかあった?」

「ま、まさか……」

左手で頬杖をついたまま、私をまっすぐに見つめる康太郎さんの視線に耐え切れず目を逸らすと、「わかりやすいねえ、やっぱり」と声が響いた。