潮風とともに
何度も何度も啄むようなキスをされて、
私は波瑠にされるがまま、キスを受け止めていた。
そっと波瑠が離れて、おでこを私のおでこにコツンとつけた。
「これは予約。
予約の予約だから……」
そう言って右手の薬指に触れた。
私はビックリして自分の右手に目をみやると、
そこには綺麗に輝く小さなダイヤが埋め込まれた艶消しのゴールドの指輪が輝いていた。
「……うそ、、、」
「こっちは婚約したときと、永遠の愛を誓う時のために取っておきたいから……
ペアリングだから、これが俺の。」
そう言って波瑠の指も見せてくれた。
そこには私と同じように右手の薬指に嵌められた指輪。
私のものより大振りなお揃いの指輪。
「っ波瑠!!!!ありがと。
大事にするからっ!!!!!」
私は波瑠に抱きついた。
波瑠は嬉しそうに髪を撫でてくれて、
私たちは後少しの時間を過ごした。