愛するほどに狂おしく
違和感のベッド

もう、理は許可も取らないでそれが当たり前であるかのようにダイブしてくる。
それから私の髪を撫でて言うのだ。
「愛してるよ、優里」と。
そして私も目を閉じて、理の優しい口づけにすぐに応じる。
絡まる右手と私を包む左腕が温かい。
ここから先、私は本当の眠りに落ちるまでほとんど目を閉じたままだ。
なぜなら理と重なりながら、それを必死に誠だと思い込んでいたから。
まぶたを開けてしまえばそれが夢だとわかってしまうから。
誠の指はもっと細い、誠の声はもっと低い、誠の体温はもっと高い、誠の唇はもっと厚い。
それを全部わかっていて気づいていて、脳内変換していたのだ。
理は義理の弟以上でもちろん友だち以上で、恋人ごっこも悪くないかもしれない。
むしろいないと淋しくてつらくて。
だけど、誠の代わりになる人ではなかった。
私は非常な人間だ。
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