苦しくて、愛おしくて





時は戻り、現在。



「あー! 凛いいところに! 後ろ乗っけてって!」


慌てて家から飛び出したらグッタインミグで凛も一緒に出てきて

この絶望的状況に一筋の光が差し込んだ気がした。


「いや無理。
お前を送ってたら俺が遅刻する」


だけど凛は自転車に鍵を差し込みながら

私のお願いをバッサリ切り捨てる。何て奴だ。



時刻は8:06

私も凛も完全に寝過ごしてしまったことは確かで、私の高校はここから自転車で20分。凛の中学校は15分。





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