オフィスの野獣と巻き込まれOL
つかの間の休日



その日は、疲れていたので、そのまま解散ということになった。

ホテルに着くと、
「お疲れさん、また明日な」
課長とは、部屋の前で別れた。

シングルの部屋を3つ取っていた。
部屋の中に入ろうとしたとき、課長に呼び止められた。

「あっそうだ。成田?」

「はい」

私は、部屋のキーを差し込む手を止めて、課長の顔を見る。


「明日は、山科と二人で会計士の先生のところに行くから。

お前は、橋本さんに琵琶湖でも案内してもらえ」

堀川課長は、ズボンのポケットを探ってカードキーを取り出したところだった。


「私は、一緒に行かなくてもいいって事ですか?」

なんだ。

明日は、課長と一緒じゃないのかと思うと、少し残念だった。

「大人数で押しかけても、邪魔なだけだし。

明日は、会計士の先生と一緒だ。
会計の専門的な話になるから、お前が来ても何もできないだろう」

私は、カードを見つけられないでいる課長に近づいた。

「ちょっと、失礼します」
ネクタイを直すように、課長に近づいて、胸の内ポケットから、キーを取り出した。
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