怖い話【短編集】
おまじない
『鏡の前でおまじないの呪文を言えば願いが叶うんだって』


『え?簡単だね』


『でもね、みんな呪文が分からないんだってさ。これじゃあ意味無いよね』






いつだろう。そんな話を聞いた。






結局誰も分からないなら広めなくてもいいのに、いつの間にかみんなが知ってる都市伝説になった。




ある日友達に「やろう!」って言われたんだ。面白そうだし、暇だったから「うん」って言ったの。


呪文って言っても分からないからテキトーにやるとか友達言ってたけど…





「あ!このおまじないはひとりでやらなきゃいけないから外で待ってて!」




その指示に従って待ってたんだけど。




30分経っても来ない。






疑問に思ったから覗きに行くと、そこには友達の肉塊がたくさんあった。



「え?」





それしか言えなくて。




おまじない、成功したの?



『呪文を言えば願いが叶う』



みんなはウソだったとか言ってつまらなそうにしてたけど、誰も死んでなんかいなかった。





って事は呪文が合ってたってこと?!






「は、はは……」






おまじないって本当なんだ…。







ところで何を願ったんだろう。私もおまじないの呪文出来るかな?




そんな事を思ってた時、誰の気配を感じた。



バッと振り向くと長い髪の女の人がたってた。



そしてニタァと笑って言ったんだ。




「ダれも見ちゃイケない、の、ニミタな」



私は遅いから覗きに来ただけ。何も見てない。




そんな事を思ったけど、もう、






遅かったみたい。
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