情愛シンデレラ~悪魔な副社長と堕ちない花嫁~

日葵side~

桐生さんと結婚するしかお父様の会社の救う方法は見つからず、あの日から一週間が流れる。

彼からの連絡はなく、私よりもお父様の方がヤキモキしていた。


「パンケーキ食べに行こうか?」
こうして友人達と気楽に過ごせるのは後もう少し。彼女は塩谷つばさ。四月からは外資系保険会社への就職を決めていた。

「あ、うん」

私はつばさと大学近くにオープンした本場のハワイアンパンケーキが食べられるカフェに行こうと校門に向かって歩いていた。


校門前には異常なほどの人だかりが出来ていた。


「芸能人でも来たの?」


「わかんない」

その人だかりを鬱陶しそうに思いながら、校門に差しかかると輪の中心から一人の男性が抜け出して来た。


「待てっ。日葵」


声に主に心当たりあるけど、訊き間違いだと思って素通りしようとしたら右腕を掴まれた。


「離して下さい」


「手を離したら、また逃げるだろ?」


私は渋々、彼を方を振り返った。
紺のスリーピースにグレーのロングコート姿の桐生さんが煙草を咥え、白い息を吐きながら、不機嫌な顔で私を見ていた。











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