どん底女と救世主。

これからどうするかとか、どうしてああなったのかとか考えるべきことはたくさんあるはずなのに。


頭に浮かぶのは昨夜の出来事で。

課長が名前を呼ぶ声、吐息、男らしい無骨な指。そして、体温。


全てを鮮明に思い出しては赤面を繰り返してしまう。

でもそれと同時に訪れる絶望感に我に帰る。

こうなってしまった以上は、もう元には戻れない。
私たちの関係は壊れてしまったんだ。


土曜日は結局、またビジネスホテルに逆戻り。


夜が明けて、今日一日どうしようかと考えていたとき、絵理から電話があった。


『今日、暇?暇ならご飯でも食べに行かない?』


と、電話口で聞こえた明るい声にもう我慢なんて出来なくなった。


洗いざらい全てを話してしまいたい。


その思いで、矢部家まで押しかけてしまった。

ちなみにこんな話矢部君に聞かせるつもりはなかったけど、矢部家でこの話をしていたら途中で矢部君が帰って来て絵理にばらされた。

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