どん底女と救世主。
嫌な予感がして、がばっと身体を起こして慌てて自分の服を確認。
良かった、ちゃんと着てる。
一切乱れのない衣服を確認したら、次は恐る恐る隣を。
よかった、誰もいない。
でも、この右のブランケットの乱れた方はここから誰かが抜け出したって感じだ。
確実に誰かが居た形跡はある。
それにここ、ホテルというよりは誰かの『部屋』だ。
ブランケット、ランプシェード、カーテンまで濃紺で統一された家具。
チェストに置かれた読みかけの経済誌。
多分、男の人の部屋だ。
待って、どういうこと?私、なんで男の人の部屋に居るの?
私、昨日なにしてた?昨日、私は誰と居た?
混乱しきった頭を必死に回して、昨夜の記憶を手繰り寄せる。