全力片思い
上書きされていくカレとの思い出
一週間後――。

本日は朝から快晴。天気予報によると降水確率ゼロパーセント。

傘を持っていく必要がないそうだ。


けれどもう少しで十二月になる今日は朝から肌寒い。

日中は日差しを感じて過ごしやすいとのこと。

これはもう絶好の歩く会日和なのかもしれない。


「いってきます」

誰もいない家に挨拶をし鍵を締める。

空を見上げれば天気予報通り、雲ひとつない青空が広がっていた。


「本当に絶好の歩く会日和かも」

眩しい朝陽に目を細め、いつもより身軽な服装で家を後にした。


我が校の伝統行事である歩く会。

なんでも創立以来ずっと行われているらしい。


生徒が歩く距離は三十キロ。

いつもより早い時間に登校した後、バスで出発時点に移動しチームごとにゴールである学校に向かうのだ。
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