強気な彼女は逃走中
拘束!
「ねーねー、おねぇさん!1人ですか?一緒に飲みません?!」

いつものバーのカウンターで飲んでいると、マスターがその場を離れた瞬間に、若い男の子が隣にやってきた。

相当酔ってるな。

可愛い顔立ちに合った、甘え上手な感じは見習いたいとこではあるけれど。

さっきから、この隠れ家風なバーには合ってない騒ぎっぷりを半個室でやっちゃってる子のひとりよね。

社会人成り立て位かな。

若いなぁ。

『遠慮します。もう帰るから。』

きっぱり断ると、それにもめげず何故か手を握りしめてくる。

何だ、この子?

「そんなこと言わないでくださいよ~。ひとめぼれなんです!」

顔赤すぎでしょ。

『飲み過ぎ?お友達の所に戻りなさい。』

握られた手を離して、立ち上がろうとしたら、こんどは腕を捕まれた。

思ったより力がある。

酔ってて加減を忘れてない?!

痛いんですけど。
< 22 / 47 >

この作品をシェア

pagetop