目覚める度に、傷ついて
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明さんは見た目に反して話しやすい人だった。


音楽に興味があるらしく、将来はミュージシャンになりたいらしい。


今は高校を中退し、バイトをしながら路上ミュージシャンをしているようだ。


話を聞きながらあたしは感心していた。


あたしは夢もなくやりたいこともなく、毎日ただ怯えて暮らすだけだった。


そんな中で見た明さんは輝いてみえる。


「あたしも、夢が見つかるかな?」


ご飯を食べ終える頃には、自分からそんな風に質問するくらい、あたしと明さんの距離は縮まっていた。


「見つかるよ。奏は可愛いし、頭もいい。きっとなんにでもなれる」


「そうかな。へへっ。ありがとう」


自分の事を言われているワケじゃないのに嬉しくなって、あたしは少しだけ頬が赤くなるのを感じた。


「おっと、ここに来てもう2時間か」


テーブルの上に置いてあったスマホを見て明さんはそう言った。
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