例えば――女の人が急に「うっ」と気分が悪くなり、口元を押えながら洗面台に直行する。蛇口から水をザーザー流しつつ咳き込んだ後、「まさか!?」という表情をして妊娠に気づく……。ドラマでよくあるこんなシーン、皆さんも一度は見たことがあるのではないでしょうか。

 でも、これってあくまでもドラマ上の“演出”だと思うのです。妊娠という事実に対する驚きや戸惑いをわかりやすく端的に表現するための。しかしながら、妊娠が判明するまでの実際の流れって、おそらくそれとは違うかな?と思うのです。少なくとも、自分はまったく違いました。

 それはある冬の日のことでした。なんとなく体調がおかしいなぁとは思ったんです。体がだるくてちょっと微熱があって。汗かきなほうではないのに、寝汗をかいたりもして。

 でも「風邪かなぁ」などと、そのまましばらく寝ていたんですね。ちょうどそのときは求職中で家にいたので、あせらず様子を見ていてもいいかなという気持ちもありました。ところが、いっこうによくなる気配がない。それどころか少し胸やけまでしてきて……。「ん?」と思ったのは、よくやくこの辺りでした(汗)。

 もともと生理不順でしたし、まったく思いもよらなかったのです。でもまあ、とりあえず近所のドラッグストアに検査薬を買いに出かけました。このときは「ん?」と思いつつも「結局は胃炎なんじゃね?」と自分で勝手にオチをつけて、「胃薬も一緒に買ってくるべ~」と暢気に家を出たのです。

 お店で驚いたのは、妊娠検査薬を置いてある売り場です。だって、コンドーム売り場のすぐそばに仲良く並んで売ってあるんですもん(苦笑)どこのお店もそんな感じなんですかね。まあ確かに、それじゃあ他に適当な場所があるかというと――あったのです! コンドーム売り場の他にもう一か所、置いてある場所がありました。

 それは――ベビー用品売り場です! なんですかねぇ、親切で行き届いた売り場設計とでもいいましょうか。ご心配でお求めの方にも、ご期待でお求めの方にも、みたいな……。

 かくして、私はコンドーム売り場の近くで見つけた検査薬と、セール品の胃腸薬をゲットして無事に帰宅しました。