クールな彼の甘い融点~とろけるほど愛されて~


「私は短期の出張ですし、倉沢さんとは部署も違いますから話す機会があるかどうかわかりません。……でも、頭には入れておきます」

ぱぁああ……と、見る見る明るくなり花を散らす井村さんの笑顔に送り出され、コンビニを出る。

可愛いだけで得をするなんてよく言うけれど。

それは、同性相手でも有効だなと、ぬるくなったフルーツジュースを飲みながらしみじみ思った。

人懐こい性格もあるのかもしれないけれど、許してしまいたくなる。


こうして、長い長い、出張一日目がようやく終わったのだった。







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