縁側で恋を始めましょう
2・


仕事が終わり、「ただいまー」と玄関を開けるといい匂いが漂ってきた。

この匂いはカレーだ。一気に空腹感が襲ってくる。
ルンルンとリビングへ入ると、キッチンに居た暁が振り返った。
すらっとしたスタイルに紺色のエプロン姿が様になっている。どこかのバーとかで働けば人気が出そうだ。

「お帰り。着替えてきたら」
「うん」

急いで部屋着の短パンとTシャツに着替えを済ませ、食卓に着く。
カレーの香りが食欲を誘う。
今日は忙しくてお昼も少ししか食べられなかったからお腹がペコペコだ。

「簡単なものでごめんね。今日は部屋に籠っていたからあるもので作ったんだ」

と申し訳なさそうにいうが、そんなこと気にしない。むしろあるもので作れるなんてすごいと思う。


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