みんなみたいに上手に生きられない君へ
結文
「おはよう」  



翌日、いつもより少しだけ早く学校にきた私は、自転車置き場のところで待っていてくれた和也くんのそばに自転車をとめる。  



「おはよう。昨日さ、あのあと家に帰ってから、親と話したよ。文字が読めないってこと」

「......ど、どうだった?」



いきなりそんなことを言い出した和也くんに緊張が走ったけど、和也くんは穏やかな顔で笑っている。



「泣かれた」

「え?」
 
「最初は無反応だったけど、認めてもらえなくて辛かったとか、今までのこと全部ぶちまけたら、泣かれたよ。

認めてなかったわけじゃなくて、受け入れられなかった。苦しんでたのに気づかない振りしててごめん、って」



......なんか、複雑だ。

愛情がないわけではないのかな。
家族も戸惑ってたのかな。  

それを聞いてほんのすこしだけ安心したけど、今までの和也くんの苦しみを考えると、やっぱり家族の方への微妙な気持ちは消えない。



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