上司な同期は激甘サンタ
1.
「先輩ー!ちょっといいですかー?」

こげ茶のふわふわボブを揺らしながら小走りでやってくる後輩に思わず笑みがこぼれる。

「そんな急いで来なくなって、待ってるから。それに私が妙ちゃんのお願い聞かないなんてこと、ないでしょ?」

入社3年目に入るカワイイ後輩はまだまだ頼りなくて、でも一生懸命に仕事をこなす姿は凄く真剣で。こうやって分からないところをきちんと聞くことも出来る、育てがいのある子だ。

「この発注なんですが、イレギュラーな要望があって‥‥。発注書に反映させるのに通常の書式では対応出来ないので、どうしたらいいのか教えて頂きたくて。」

「あー、なるほどね。そういう時は別にある書式を使って作成しないと」

妙ちゃんが持ってきた書類を見ながら、過去の事例を踏襲した対応策を提示する。

3年目とはいえ、まだまだ完全にひとり立ちするまでには至らない後輩へのアドバイスは、仕事を教えきれていない自分への自責の念ともなる。
指導係という意味で私もまだまだ一人前になれてないなー。
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