上司な同期は激甘サンタ
それから更に調べて、不正は経理ではなく、人事で行われていることが分かった。

「最初はさ、経理で不正が行われてると思ってたから自分が毎日一緒に働いてる同僚疑わなくちゃいけなくて。もちろん、誰かに相談も出来なくて、すげえ苦しかった。」


ようやく泣き止んだ私を静かな公園のベンチに移動させて、木崎君も隣に座った。

膝のあいだで手を組み、舌を向いて話す姿は、全身で苦しさや辛さを堪えているようで、切なくなる。


「だからさ、経理じゃなくて人事って分かった時、俺ホッとしたんだ。これでもう、この問題は俺の手を離れたって。」


でも、事態はそんな簡単じゃなかった。
木崎君が不正についての調査結果を上司に上げると、人事への移動を打診されたのだ。
引き続き調査を続けるために、権限の大きくなる課長への昇進と一緒に。


「俺も普通のサラリーマンだから、正直出世はしたいと思った。でもさ、また人事で同僚疑う毎日一緒送ると思ったら決断出来なかった。」
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