僕は何度でも、君の名前を呼ぶよ。


「むむむむ…」


アイは意識を集中させるように俺に向かって人差し指を向けてくる。

触ろうとしているのか。


「…‼‼‼」


———ツン…


ひそかに、触られたような、なにかかすったような感覚はあったが、すぐに俺の体を通り抜けてしまうアイの指。


「…だめかあ…」

「お前、何がしたいの?」


本当はわかりきっている答えをアイに聞く俺も、どうかしてる。



アイはくるりと宙を舞って、答えた。


「…この世のものに、触れたいなって」

「……え」


———今。



小さくだけど、聞こえたような気がした。



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