【第一章】狂気の王と永遠の愛(接吻)を

異空間の旅・終

任務を無事終えた一行は帰路へ着くため今度はカイを先頭に、アレスは手にしていた加護の灯を彼へ託す。
通常、<使者>では知りえない王の謎に触れてしまったアレスの頭は考えを止めてくれそうになく――

(ブラスト教官はきっと答えてくださらない。ガーラント先生なら何か知っているだろうか……)

加護の灯を掲げ、エデンの言葉を胸に力強く悠久の門を目指して歩き出す小さな剣士と、いくつかの疑問と謎に遠くを見つめる小さな魔導師。

(……やり遂げてこそ一人前か……私はまだ何もわかっていない。悠久のことも、外の世界のことも……)

光を見出したカイと、大きな壁の前に立たされたアレス。彼らのこれからの懸命な働きが、王と……やがて姫君となる小さな少女の支えとなるか障害となるか……まだ誰も知らなかった――。
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