「俺は、大富豪でも御曹司でもないから、こんなことは多分これっきりだけれど、お前のことを思う気持ちは、一生変わることはないから、だから、俺と結婚してくれないか?」


憧れだったクリスマスイヴのプロポーズ。目の前にいる彼は、いつもとは違うスーツ姿。いつもは、作業着姿だからそれだけでさっきからドキドキが止まらない。



「へ、返事は?こっぱずかしいことしてんだから早く返事しろよ」


王子様とは似ても似つかぬはずなのに、今日は王子様にしか見えない。この場所だって私たちには場違いなのに、それでも一生懸命考えてくれたんだと思うと、涙が溢れる。


窓から見える夜景もさっきまでのサプライズなプレゼントも全部一人で用意してくれた。こんな人、なかなかいない。ここまで私を大切にしてくれる人なんて彼以外にはいない。


「うん。最高のプロポーズありがとう。私も篤と結婚したい」


「おう、結婚するぞ」


「でも、これっきりじゃなくてまた来たいな」


「しょうがねえな、じゃあ俺らがしわくちゃになったらもう一度連れてきてやるよ」



そう言って、笑った彼は誰よりも私の王子様だと思った。

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