「みんな、卒業おめでとう!!」

卒業式を終えた直後の教室には、大嫌いな担任の声と、クラスメイトのすすり泣く声が響き渡る。

桜の木が、やっと蕾を付け始めた春。

佐々木あこ。

18歳。

あこは、「高校生活」から卒業した。

あこの高校生活3年間は、特別これと言った“思い出”が無い。

あこにしてみれば、正直話“ツマラナイ”3年間だった。

友達だって、人並みに作れたと思う。
…でも、みんなうわべだけの簡単な友達。

勉強だって、人並みに頑張ったと思う。
…でも、順位はいつも中間。

不良でもなければ、優等生でもなかった。

人並みに恋愛だってしたと思う。

…ただ、本気で人を好きになる事は無かったし、恋愛で涙を流す事も無かった。


涙なんて物は、小さい時に流して以来忘れた。

背が低くて、童顔。

丸い目の睫毛に、マスカラを重ねると、大人になった気がして嬉しい。

胸までのサラサラロングの焦茶色の髪の毛。

学年で言えば、並。
クラスの中では、可愛い方に居たと思う。

「あこ!絶対連絡頂戴ねっ?
卒業しても遊ぼうね!!」

出た。
卒業式の後の決まり文句。

『うんっ!約束☆』

…とか言ってみたりして。

馬鹿だね、連絡なんていつの間にか途絶えちゃうもんだし!

みんなが感動に浸る中、あこは冷めていた。

この春、あこは大学へ入学する。

“ツマラナイ”高校生活の反動なのか、大学へ入学した途端に、あこの生活と外見はハデになって行った。

焦茶色の髪の毛は、栗色の明るい茶髪。

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