あことあっちゃん。
2人きりになった車内には、心地いい沈黙が流れた。

会話の1つもないのに、なぜだか、心地いい。

…♪~♪~♪~

オーディオから流れている曲はEXILE。

低音が体に響いて来て、なんとなく気持いい。

初めてあっちゃんに会った日も、こんな風にEXILEの曲が流れていたっけ…

どうやら、あっちゃんはEXILEというアーティストが好きならしい。

浜崎あゆみ程じゃないけれど、あこも好きなアーティスト。

心地のいい沈黙を破ったのは、あっちゃんだった。

「なぁ、あこ?お前、さっき俺の袖掴んだろ?…泣きそうな面してたし、何かあったのか?」

あっちゃんは、右手だけでハンドルを握りながら、横目で助手席に座るあこをちらっと見た。

ドキッ

あっちゃんて、結構鋭いのかも!
…でも、でも、言えないよ、あんな事。

どうせ、もうあの有美さんて人と会う事も無いだろうし…

『本当に何でもないって!
あっ、てか、そこの角を右だよっ!』

ごまかす様に笑った。

すると、あっちゃんは府に落ちない表情を浮かべながらも、頷いた。

「おぉ…なら、いいんだけど…気になったから!」

あっちゃんて、ぶっきらぼうだし、言葉使いなんて最悪だし…見た感じ、冷たそうに見えるのに、さりげなく優しいんだね。

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