イジワルな彼とネガティブ彼女
流されてしまった
翌日の金曜日。


一応、男性とふたりで会うわけだし。


いま持っている洋服の中で、お気に入りのグレーのニットワンピとヒールの高いショートブーツを合わせて、オレンジのコートを羽織った。


「おはようございます」


会社の開発部フロアに入ると、いきなり足立くんと目が合った。


「高橋さん、おはようございます。


さっそくですが、昨日の案件のメールが届いてましたので、転送しました」


「わかった、すぐ見るね」


あれ、足立くん、もしかして顔が赤くなってる?


・・・いやいや、たぶん空調のせいだ。


午前中は、デザイン担当にお願いしていたキャラクター候補を見比べて、それぞれにコメントを書いた。


商品のキャッチコピーの候補が出揃ったから、キャラクターと一緒に部長へ提案した。


一段落したら、もうすぐお昼。


コーヒーを飲んだところで、内線が鳴った。


・・・たぶん、美和からだ。




< 58 / 235 >

この作品をシェア

pagetop