ふわふわ
2 デート










「結衣」





「…優真くん、おはよう」







変な出会い方をした私達


連絡先を聞かれても私はあまり携帯を見ない性格だから返事を返すのが遅い




だからか、彼は毎朝私と同じ時間の電車に乗るようになった



毎朝の電車の時間なんて教えていないのに何故か彼には分かってしまう

私、言ったかなぁ…



ここだけ見るとストーカーみたいに思えるな…

まぁこんなつまらない私にストーカーする物好きなんていないと思うけどね





「おはよう、今日も可愛い」




そして毎朝言われるこの言葉


正直心臓に悪い


素直な私はこの言葉を正面から受け取ってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいになる

喜んでなんかいられない

居てもたってもいられなくなる


あぁ!!!穴があったら入りたい!!



そんな気持ちになるのだ






「あんた、今日は大人っぽい。
なんでも似合う」




「あ、ありがとう…」




この前出会ったときは、ゆめかわいいテイストの服装で出掛けてたからなぁ…


正直今の姿で出会いたかった


あんなパステルの服着た25歳のBBAなんてイマドキいない

恥ずかしい…




「ねぇ、結衣。会社休みの日って確か日曜日だよね」




「え?うん。そうだよ
なんで知って…」



私の言葉を遮って彼はいう




「じゃあ次の日曜日デートね」





で、え、と???




…デート!?!!!?!?


なにそれなにそれ!!?!?!???
リア充の、リア充による、リア充のための出来事じゃん!!!?!?


私みたいなつまらない非リアの人間がデートなんて…おこがましい!!!



「わ、私そんな優真くんとデートなんて…」




「嫌?」




「嫌とかそーゆー問題じゃなくて…」



「じゃあ決定。朝10時に駅でね。」



んんん!?!!

そのまま電車を降りる優真くん

ど、どどどどどうしよう
明日地球が滅ぶみたいなイベントが今起こってるけれども


なんてことだ…


なんて日だ!!!!!!!







< 7 / 35 >

この作品をシェア

pagetop