イジワル御曹司の執着愛～愛されすぎて逃げられません！～

時々、思い知らせたくなる。

「天気がよくてよかったな」
「うん、絶好の行楽日和だね！」


遠子はまぶしさに目を細めながら、遊園地に続々と入っていく家族連れを見つめる。

ここは多くの絶叫マシーンを有する、関東一の遊園地だ。
朝早くに家を出て、直倫の運転するスポーツカーでやってきた。

夏休みに入ったばかりで、家族連れも多いが、カップルもたくさんいる。


（私たちもカップルに見えるのかな……）


周囲の目が気になると、ついコンプレックスが刺激され、そんなことを考えてしまう遠子である。

ちなみに遠子は麻のシャツにデニムのミニスカート。直倫はコットンのシャツにデニム。ふたりともスニーカーという軽装だ。

そして今日のデートのプランは、熟考のすえ遠子が決めた。


（遊園地って言った時の直倫、すごい真顔だったけど……）


ふたりぶんの入園パスポートを買う、隣に立つ直倫を遠子はこっそりと盗み見ながら、今朝のことを思い出していた……。