失礼男の攻略法

「見込み違いって、ご自分の見る目がないんじゃないですか。そもそも、この話だって先週急にでてきたんです!だから私もどうしたらいいかわからなくって」

そこまで自分で言葉にしてみて、なんだか何も決めきれない自分を棚にあげて八つ当たりをしてるだけな気がしてきて、急にこの場にいるのがいたたまれなくなった。

「あ、すみません。ほんとに見込み違いだってお思いになるなら、この話なかったことにしてください。すみません」

それだけ言うのが精いっぱいで、とにかく手近にあった荷物をまとめて社長室を飛び出した。




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