玄関で靴を脱ぐと、いきなり彼に抱き上げられた。


下から見上げる彼に異常なくらい鼓動を立てている心臓が、この先の展開と今の状況全てに壊れそうだった。


初めての時よりもドキドキしていた。


広いリビングにはカーテンはなく外からの月明かりが差し込んでいた。


彼はそのままリビングに面したドアの一つを開けると中に進み、柔らかなベッドの上に優しく私を置いた。


これから何が始まるのか…緊張や恥ずかしさはもちろんあったけど


それ以上にもう止められない気持ちの方が大きかった。


この10年、ずっと必死に隠し通してきた彼への想いを彼に開けられてしまったから。


一度、あふれ出した気持ちを止める術は今の私には無かった。


彼が私の上にまたがり、ネクタイを抜き取る。


その仕草に、胸がギュウッと締め付けられ下腹部の奥がたまらなく疼いた。



「一ノ瀬君……キスして…。」