昨晩…美優の隣で横になりながら彼に電話をすべきかどうか迷っていた。


スマホで時間を確認すると、もうすぐ日付が変わりそうな時間…。


起きているか分からないし、彼からの着信があった日から1週間近く経っていたから出てもらえるか分からない。


散々、迷った挙句最後はお酒の勢いも借りて着信履歴から彼に電話をかけた。


美優を起こさないよう、客間をそっと抜け出し隣のリビングへと移動する。


呼び出し音と一緒に自分の心臓からドクドクッと聞こえてくる緊張の音が耳に響く。


プツッと呼び出し音が途切れた瞬間、一気に緊張がピークに達した。


「…もし、もし…」


震えそうになる声を絞り出し勇気をだして発したその声は、かすれ声になった。


なのに電話の向こうから聞こえてきたのは、彼の声ではなかった…。


『は〜い、もしも〜し。あれぇ杏奈?』


テンション高めの彼女の声に名前を呼ばれ、胸がドクンッと大きな衝撃を受けた。

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