嘘は取り消せない
色んなものが心を掻き乱すの
桜side

次の日、朝早く起きて朝食を作る

「ん、あ………桜か」
「お兄ちゃん、仕事」
「あぁ! やばい寝すぎた」
「弁当の中におにぎり入ってるから食べて」
「さんきゅっ」

お兄ちゃんは長男なのに湊の方が
しっかりしてるような気がする

「行ってくる!」
「気をつけてね」
「おう!」

お兄ちゃんとは3年前にドライブしたなぁ
また今度、頼んでみようかなぁ

「おはよぉ」
「あ、湊」
「今日も部活だから〜」
「うん、午前?」
「1日〜」

湊は相変わらず朝に弱いな
一日部活っていうことは今日は1日1人かぁ
まぁ、塾もあるし

「今日の夜は作り置きしとくから
好きに食べてね」
「うん〜」
「ほら、顔洗ってきて」
「はぁい」







「行ってくる 桜姉、気をつけてね」
「えっ! 今日は塾だけだから大丈夫だよ」
「なんか心配」
「もう!」
「じゃあね」
「うん、行ってらっしゃい」


はぁ、誰もいなくなった
やっぱりひとりは慣れないな
何度体験しても慣れないよ
でも、孤独だと、ひとりだと感じるのは
今までの生活でみんながいたからだよね
だったらひとりだと感じることは
幸せ、なのかな?







そして今の最大の問題を思いだす





九ノ瀬君のことはどうしよう…………………
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