私のご主人様Ⅲ

取引


翌日、学校に行くと教室は静まり返った。

昨日まで普通に話していたはずのクラスメイトも気にして視線は送ってきても距離は詰めようとしない。

それも気にせず席につき、借りていた本を開く。

昨日、仕置きだと言われて行われたのは奏多さんと暁くんに会わせてもらえなかったこと。

代わりに傍にいた人も、季龍さんの言い付けか、口を開くことはなかった。

孤独であることを突きつけられたような仕置きは、日付が変わると同時に終わり、奏多さんと暁くんが飛んできて、代わりに傍にいた人も謝ってきた。

でも、昨日のことではっきりした。

私はやっぱり奴隷で、自由なんて求めてはいけないことに。

籠の中で大人しくしているうちは大丈夫だ。だが、そこから出してと騒げば一瞬で口を封じされ、より籠の鍵を強固にされてしまう。

なら、私はもう大人しく、従順にしている。

それでご主人様の機嫌が保てるなら、いくらでも孤独に耐えてやる。

決意してしまえば簡単なことだ。

空気のような私に教室は騒ぎを取り戻し、いつも通り学校の日程が始まっていく。
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