子犬男子に懐かれました



恐る恐る……インターホンを鳴らす。


ーーピンポーン


何回も鳴らすが、出ない。

留守…?それとも居留守…?


その場でしばらく立っているとーー、



「あなた、どちら様?」


50代の女性がそこにはいた。

……は!もしかしてっ…


「あの、私〇〇生命の…っ「帰ってちょうだい」


……あ、やっぱり。

電話通り難しいお客さんだった。


「あの、少しだけでもお時間いただけないでしょうか?」


「帰ってちょうだいって言ってるのが聞こえないの?! いい迷惑なのよ、ほんとしつこいわね」


「……ですがっ、」


「保険には仕方なく入ってるだけよ!あんた達が押しにくるからねっ、すぐ解約するからほら消えて」


……っ、あまりにもひどい言葉に、何も言えなくなってしまった。


「2度と来ないで!!!!」


最後にそう叫ばれ、ドアを閉められた。


……あれ、おかしいな、私鉄のメンタルだったはずなのにーー、


ツー っと一滴涙が流れてくのが自分でも分かった。



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