スーパーアイドル拾いました!
背景
 放課後スポーツバックを手に、部活へ行く準備をしながら、ふと海斗の事が頭を過った。

 あいつは、もう居なくなったのだろうか?


「ねえ真、部活終わったら一緒に帰ろう?」

 寧々の声に、真は我に返った。


「ああっ……」


「何驚いているのよ?」


「いや、急に声掛けるから……」


「そうかな? じゃあ、後でね!」

 寧々は不思議そうに首を傾げた。


「うん」



 寧々とは、高校に入ってから知り合った。
 クラスも違うのだが、真は男子バレー部のキャプテン、寧々は女子バレー部のキャプテンという事もあって、相談などあるとよく一緒に帰っていた。


 高校総体を控え、練習にも熱が入り正直キツイ。
 しかし、体の疲れに対して、気持ちの達成感は高い。

 今年こそ県大会上位に入りたい。県立高校に通う真にとっては、私立高校という高い壁が立ちはだかっている。
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