後輩なんて本気になりません!


3年前*****


高校卒業以来の同窓会が開かれた。


みんな大人になり
誰かわからないくらい
変わってる人もいた。


偶然私の隣に座ったのが
俊哉だった。


俊哉はあたしが好きだった頃のまま
全く変わらず昔の面影が残って居た。


今は大学を出て
建築関係の仕事をしているという。


「久しぶりだね」から始まって
昔話に花が咲いた。


「サッカー部ってモテてたよね?」


「ギャラリー半端なかったし
結構差し入れとか来てた」


差し入れ・・・


あたしも頑張ってしようとしたけど
渡す直前 クラブハウスの前で
「食い物の差し入れって
勘弁だよねぇ」

「そうそう!
手作りとか気持ち悪くね?」

「わかる!!!彼女とかなら
信用できるけど
何を入れられてるかわかんないしな」

と話しているのが聞こえて来たから
前の晩に一生懸命焼いたクッキーを
渡すことができなかった。


「中村もよく来てただろ?」


「うん そのギャリーの中にいたよ
好きな人が居たからね
控えめにしてたつもりなんだけど」
笑いながら答えた。


「あ〜ねぇ 渡辺ね」


渡辺とは その当時
告白されて付き合った渡辺淳。


『好きな人いるから』と断ったが
ちょうどその時 俊哉は彼女ができた
『お試しからでいいから』と言われて
俊哉を忘れるために淳と付き合った。


「今だから言える話していい?」


「何それ?」


「実はあたしあの頃 小池くんのこと
好きだったんだ」


とうとう伝えた
あの頃伝えられなかった思い。


別に今どうこうってわけじゃなく
ただあの頃の気持ちを告白しただけ。

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