Between The World
Between The World
狭間の世界

それだけ分かった

心地よい風に包まれて落ち着きそうなのに、どこか不安で寂しい気待ちだ

向こう側は楽しそうだ

あの人たちは何も考えずに踊ってる

わたしも何も考えずに、、、

そこでわたしの意思は果てのない距離を一瞬で体に戻ってきた

嘔吐した

頭が割れそうに痛い

気分が悪い

どうしようもないうめき声のような叫び声のようなものが部屋に木霊する

死ねなかった

嗚咽し、涙と鼻水にまみれながら、空になった瓶を見つめた

どうして死なせてくれないの

そこで気づいた

椅子に座ってこちらをじっと見ている

本能でそいつは想像を超えた、この世のものでは無いいてはいけない存在だということが分かった

しかも明らかに幸せや喜びをもたらすものではない

わたしは声もあげなかった

恐ろしさのあまり声が出なかった

どうしてだろうか

死にたいと思っていたのに殺されるとなると逃げたくなる

「死にたいんだろ?」

そいつは裂けた口をめいいっぱい広げて笑った

よだれが垂れそうだ

そいつは椅子から立ち上がると、手に持った大きな包丁のようなものをぎらつかせた

わたしは命乞いをした

しかしそいつは何も聞こえないかのように、後ずさるわたしを部屋の隅まで追い詰める

「怖いか?怖いだろ?
楽しいよな?くっくっくっ、、、」

何を言っているのか分からない

とにかく泣き叫んだ

そいつはまず、大きな包丁でわたしの脚を貫いた

次に脚をかばうわたしの肩を削ぎ落とした

そして絶叫するわたしの声を抑えるかのように、唇を重ねてきた

泡を吹くわたしを、そいつは楽しそうに眺めた

そして削ぎ落とされた肩の血をすすった

次に、鎖のようなものを取り出し、わたしの首に巻き付けた

そして締め上げる

息ができない

そこで気づいた
気も失えない
死ねないのだと

いや、既に死んでいるのだと

地獄に落ちる前の儀式

それかこれが地獄か

鎖で手足も縛られた

身動きができない

すると腹に包丁を突き立てると、慎重に、ゆっくりと、魚を捌くように裂いた

血が滝のように流れる

そいつはそれを見て大笑いしていた

もはやわたしには何をする気力も残っていなかった

そいつはわたしのくっぱりと開いた腹をそっと開くと、中にそろりそろりと手を入れた

中のものを掴むと、勢いよく引っ張った

その勢いで腸が3m程飛び出てきた

そいつはそれを咥えると、味や食感を楽しむように食べていった

腹の中身を半分出され、わたしは腹の寒さを冷静に感じていた

痛みを感じなくなっていた

腸を食べ終えると、そいつはわたしの腕をがっしりと掴み、肩の関節と逆方向に曲げた

肩の骨が外れた

そのままぐりぐりと肩から腕をもぐようにまわした

最後は皮膚だけが繋がった状態になり、そいつは思いっきり引っ張って腕を肩から引きちぎった

腕の骨を抜くと、そいつはまたもやそれを食べ始めた

食べ終えるともう片腕も同じようにした

それからわたしの体中を舐めまわし、最後は脚にかぶりついてむしゃむしゃと、骨を残して食べた

「最後は一番美味しいものを頂くよ」

そいつはそう言った

わたしはもう自分の体に何が起こっているのか分かっていない状態だった

そいつが指をならした

途端に、今まで感じなかった全ての痛みが蘇った

わたしは目を見開いて絶叫した

肩が火を吹き、腹はねじ曲がり、痛みつけられた身体中がその異常を主張していた

そいつはまたもやわたしにキスをしてきた

そして泣き叫ぶわたしを抱き抱えると、地獄の方へと足を向けた

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