イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇
He is 私のもの??



ジャスティンはダメな事と分かっていながらも、モナンジュの店の近くに立っている。
本当は、木の実の引っ越しが終わるまでは会わないようにと思っていた。
でも、今日、謙人と木の実が会ったという事実は、ジャスティンの自制心を崩壊させた。

偶然に会ったふりをすればいい、俺の演技力がクオリティが高ければの話だけど…


「お疲れ様、明日は頑張るのよ~」


木の実の姿とともに奥の方からそんな声がした。
ジャスティンはいつものお団子ヘアの木の実を見ると、胸が詰まってくる。
木の実の存在は本当に凄い……
物を言わずとも、俺の感情を簡単に揺さぶり、そしてきっと操ることができるだろう。

木の実は虹色のスーツケースをゴロゴロ転がしている。
きっと、今から寝床を探すのだろうか…?



木の実は少ないお金を浮かすために、この場所からは少し離れているが値段の安いネットカフェに向かっていた。
昨日も一昨日も、夕食は食べていない。
朝食はネットカフェに常備しているロールパンとコーヒーを、お昼はコンビニで買ったおにぎりと野菜ジュースを、その2食でどうにかこうにかしのいでいた。

仕事には支障をきたさないよう気合で頑張っていたが、さすがにしんどい。
木の実は地下鉄の階段を下る前に小さくため息つき、パンパンに膨らんでいるスーツケースを持ち上げた。

あれ…?

スーツケースは引力に逆らうようにフワッと宙に浮いた。
木の実が振り返ると、後ろにジャスティンが立っていてそのスーツケースを持ち上げてくれている。


「ぐ、偶然だよ、偶然…」


木の実はこのわざとらしい偶然の出会いに、ちょっとだけ笑って泣いてしまった。







< 103 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop