それから数か月後、塔子は久しぶりに実家の前に立っていた。

「塔子、俺も親父たちに顔見せたら、そっち行くから」
隣の家の前からの大輔の声に、クスッと塔子は笑った。

「うん」

久しぶりの実家は少し古くはなっていたようだが、変わっていなかった。
インターホンを押すと、母の声が聞こえた。

「お帰り、塔子」
にこやかな母の声に塔子は笑顔で
「ただいま。お母さん」
そう答えて、リビングに入ると懐かしい部屋を見渡した。

お盆休みという事もあり、ソファに座った父の側にそっと近づいた。

「ただいま。お父さん」

「おかえり、塔子。元気そうだな」
塔子も父の近くのソファに座ると、微笑んだ。
「うん。元気だよ」

そんなふたりの元へ、微笑みながら母がお茶を持ってテーブルに置いた。
「ごめんね。全然帰らなくて」
俯いて呟くように言った塔子に、母は笑いながら明るい声を上げた。
「いいのよ。お父さんもお母さんも理由は解ってたから」