土曜日の朝、塔子は6時前に目が覚めた。

(- まだ、全然寝れる…。)
そう思い、もう一度ベットに頭を埋めた。
何度か目を瞑り、寝ようと心掛けた。

(- 眠れない…。)

塔子は諦めたようにカーテンを開けた。
明るい日差しが塔子の気持ちとは裏腹に差し込んだ。

そして大きくため息をついた。

(- 11時…本当に来るのだろうか。…来るな。今まで一度も約束を破ったことが無い。)

大輔は、塔子との約束を破ったことはなかった。

(― 嘘はつくけどね。)

そう、心の中で毒づいた自分にハッとすると、塔子はバスルームへと向かった。

熱いシャワーを浴び、浴室の鏡に自分を映した。

(- あの頃の塔子はいない。)

もはや呪文のようにパンドラの箱にその言葉と鍵をかけていた。

熱いシャワーで幾分か頭をクリアにすると、キッチンに行き、ミネラルウォーターを出すと一気に飲み干した。