Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
ポカンとする私に向けて、背後で部長が囁いた。
「御堂くんのアレは、もう癖のようなもんだから。気にするな」

……癖? あの甘い台詞の数々が?
女性を口説くのが、癖ってこと?

火照っていた身体が、心が、急速に冷えていくのを感じた。

なんて軽い人なんだろう。
……私、苦手かも。


そう感じてから、早二年。
苦手意識は消えることなく残っていて、それどころか日増しに膨れ上がった嫌悪感は軽蔑へと変わり始めていた。
週に一度の対面すらも、今では苦痛になりつつある。



そんな彼を好きになることなんて、絶対にないと思っていた。
『MELTY SMILE ~あなたなんか好きにならない~』
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