キミとひみつの恋をして

secret.4



沖縄はすでに梅雨入りしたのだと、そう聞いたのはつい3日ほど前だ。

だから、修学旅行は雨に降られる可能性が高いかもしれない。

そう続けた担任の天気予報は──


「折り畳み傘いらなかったわー」


邪魔だと柑菜が愚痴を零すくらいに、晴天だ。

本日、修学旅行1日目。

私は現在、柑菜と一緒に水族館に向かっているところだ。


「ホント、雲ひとつないね」


青空を見上げる私の横を歩く柑菜が、手でパタパタと自分に風を送る。

気温も高く、海が近いせいか湿気もあり、ジメッとした空気が肌にまとわりついて少し気持ち悪い。

それでもテンションが下がらないのは、修学旅行というイベントに参加していることと、本来別のクラスに在籍している柑菜と一緒に行動できているからだ。

今回の修学旅行では、1日目に、生徒が自由に選ぶことのできるコース別学習というものがある。

私と柑菜は事前に相談し、海の生き物とのふれあいコースに参加することに。

ちなみに、コースは全部で5種類あり、沖縄の歴史を学ぶものや、太平洋戦争末期の沖縄戦を深く知る為のツアーなどもある。

結城からの情報によると、二ノ宮は文化体験コースに参加しているらしい。

もし一緒のコースだったら嬉しいなと、ほのかに期待していたんだけど、そう上手くはいかず残念な結果となった。

せめて、夕食の時にでも会えればいいな。

願いつつ、私は柑菜と仲良く涼しい水族館へと入館したのだった。


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