直感的結婚～恋はこれから～
初出勤
休日が終わり、一週間の始まりの月曜日。


「大変お世話になりました！」

「気をつけて帰ってね」

「またいつでもおいで」


結局幸哉は違う友だちとも会うことになったと二泊した。「もう一泊！」と頼まれて私たちは断れなかった。調子のいいというか図々しい弟に泰士さんは嫌な顔をしないで快く泊めてくれた。

幸哉が出ていってから私たちは顔を見合わせる。


「本当にありがとうございました」

「俺にとっても弟なんだから気にしないで。さて、俺たちも準備して行こう。美琴は初出勤だもんな。また緊張した顔してる。大丈夫だよ、みんないいやつだから。俺は仕事では厳しくするかもしれないけど、その分家では優しくしてあげるから」

「えっ？」


仕事では厳しく、家では優しく？

どういう意味かと聞き返そうとしたけれど、そこまで話している時間はなく急いで食器を洗い、身支度を整えた。

二人で出勤するのは恥ずかしいけど、出るところも行くところも同じだから効率的にもいい方法だ。

泰士さんが運転する車に乗る。電車通勤だと思っていたから車があることを知って驚いた。
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