わたし、結婚するんですか?
わたし、貴方と結婚しますっ!
 




 眠っているとき、また、夢を見た。

 そういえば、お父さんやお姉ちゃんとまだ会わせていなかったな、と気づいたせいか。

 遥久が実家の前に、やはり、ナイフを持って立っていた。

 やたらめったらうなされると思ったら、胸の上にチャトランが乗っていて。

 横で遥久は気持ち良さそうに眠っていたので、さっきまで、彼のせいで(?)うなされていたので、なんだか腹が立ち、その腹の上に、
「えい」
とチャトランを乗せてやった。

 しかし、遥久はそのまま爆睡している。

 うーむ。
 この程度の重さはなんてことないらしい。

 ……私が乗ってやろうかしら。

 それこそ、親ガメ、子ガメみたいになるな、と思いながら、
「おいで、チャトラン」
とチャトランを遥久と自分の間に下ろし、親子三人で寝ているかのような体勢になる。

 平和で、幸せだけど……。

『……黒幕なんて居ない。

 ま、居るとすれば――

 お前かな』

 そんな遥久の言葉が気になって、眠れない。
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