それはちょっと
Kiss3*欲しいものは自分で買います
その日も休憩をするために自販機へと向かったら、そこに部長がいた。

「またですか…」

彼の姿に私は息を吐くと、いつものようにブラックコーヒーを買った。

それを飲んでいたら、
「11月3日」

部長がそんなことを言った。

「えっ?」

何を言われたのかわからなくて、私は聞き返した。

「その日は南くんが1番知ってるでしょ?」

部長はそう言って、眼鏡越しの目を細めた。

「私が、ですか?」

11月3日で、私がよく知っている日と言えば…?

思い出してジロリと部長をにらみつけた私に、
「南くんの誕生日だよ」
と、部長はそう言ったのだった。

そう、11月3日のその日は私の誕生日である。

誰にも誕生日を教えた覚えはないはずだけど、
「何で知っているんですか?」

部長がどうして知っていたのかと疑問を持って、私は彼に質問をした。
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